ノキアの特許は無効され、ノキアは無駄な努力をした
ノキア株式会社(以下はノキアと称す)は2010年末に上海第一中級人民法庭で上海華勤通訊技術株式会社(以下は上海華勤と称す)に対して8つの特許に関連する5件の特許訴訟を起こした。翌年3月、上海華勤はノキアが主張する8件の特許に対して無効請求を提出して、今までその中の4件の特許はもう無効されたので、上記4件の特許の弁償金とする人民幣9000万元は全て無くなってしまいました。
その中で、特許CN100401818C(以下818’と称す)について、審判委員會から特許無効の判決を作り出してから、まもなく上海裁判所は818’の特許明細書及び図面にはクレームに記載された技術特徵の具体的な実施方式が記載していないため、クレームに記載された技術特徵の内容及びクレームの範囲は確定できなく、上海華勤の特許侵害は成立しないと判決し、ノキアの訴訟請求を拒絶した。
ノキアは上海市高級人民裁判所にアピールを起こしたが、裁判所は一審判決を維持し、該当アピールを拒絶した。本案の裁判官は『ソフトウェア(コンピュータプログラム)によって製品機能の増加または改善を実現したとしても、クレームの範囲を明確するために具体的な実施方式を公開するべきだ。その上、もし該当特許がコンピュータソフトウェアの発明であれば、ただ機能又は効果で特許要件をカバーすることが出来ません。』と助言した。
ノキアは一気に8つの特許に関する5件の侵害訴訟を起こしたが、上記8件の特許の出願前の検索が不十分であり、クレームの保護範囲も不明確であるので、ノキアは見込んでいる賠償金を得られないどころか、かえって特許は無効されて、今まで無駄な努力をした。
執筆:プロジェクト スペシャリスト 廖宜湉